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青山税理士事務所
  

3-3 ゾルゲ・尾崎事件の総括

涸轍鮒魚(こてつのふぎょ)にならないために

 

 第二第三の「モリカケ」が延々と繰り返される現状をみるにつけ、「支那事変長期化」や「南進論」を吹聴して「時代の寵児」となった尾崎秀實(ほつみ)を思い起こす。当時は、情報手段が限られ、情報の相対化ができるべくもなくプロパガンダの餌食になった。
 一方、伝達手段が多様化され情報の質が求められる時代にありながら、浮薄な情報を垂れ流すオールドメディアが存続していること自体に、危機感を感じている。
 危険が迫っていることを「轍の水たまりに棲む鮒」に例えるけれど、そもそも「轍の水たまり」で安逸を貪るほうがおかしいのである。

 
世の中の一般大衆(マス)が、どうのような習慣を持ち、どのような意見を持つべきかといった事柄を、相手にそれと意識されずに知性的にコントロールすることーーーは、民主主義を前提とする社会において非常に重要である。この仕組みを大衆の目に見えない形でコントロールすることができる人々こそが、現代のアメリカで「目に見えない統治機構」を構成し、アメリカの真の支配者として君臨している。
 プロパガンダ


 リヒャルト・ゾルゲ(最終地位はソヴィエト赤軍第四本部情報将校)からの「日本軍南進確定」の情報(別ルートの情報もあった)によって、ソ連はドイツ戦と極東の二面戦争を回避して、戦力を対独戦に集中することで勝利に繋げるのである。
 この功績でゾルゲには、「ソ連邦英雄勲章」が授与された。現在でもロシア大使が日本に赴任した際は、多磨霊園にあるゾルゲの墓参が慣行となっているそうである。

 尚、日米戦争の要因は、第一次大戦後のベルサイユ体制まで遡らなければならない。また、ルーズヴェルト(FDR)大統領の欠格を糾弾する歴史修正主義が、最近アメリカでも台頭してきている。寧ろ、こちらのほうが日米戦争の原因としては重要だけれども、日本国内の共産主義者によるプロパガンダと直接の関わりはない。

 上記関連として次のような書籍がある。
 ・ルーズベルトの責任ー日米戦争はなぜ始まったか チャールズ・A・ビーアド 著
 以下、渡辺惣樹氏の翻訳による浩瀚な歴史書
 ・ルーズベルトの開戦責任
 ・日米衝突の根源 1858-1908
 ・裏切られた自由 フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症
 ・裏口からの参戦 ルーズベルト外交の正体1933-1941外

 戦前の共産主義者の暗躍を私なりに整理した「3-1」と「3-2」の多くを、三田村武夫氏の著書「戦争と共産主義」の復刊本によっている。三田村氏は内務省警保局勤務後、国会議員、結社等臨時取締法違反の逮捕歴を経て、戦後も国会議員という経歴のとおり、一般人が知りえない立場で大東亜戦争を見てきた歴史の証人である。

 この貴重な歴史の声が無視され、「水たまりの鮒」にすぎない危うさを隠してきた。以下、大東亜戦争の余燼の中で語られた「書評」を紹介する。本居宣長が言うように、事(こと・歴史的出来事)は言(こと・その歴史の中で語られた言葉)なのである。

 岸信介、遠山景久については復刊版「大東亜戦争とスターリンの謀略」のものであるが、馬場恒吾、鈴木文史朗敗戦の余燼が冷めやらない時期の「戦争と共産主義」の読後感想である。

 

 岸信介(東条内閣で商工大臣、戦後内閣総理大臣)
 

 
知友のラジオ日本社長、遠山景久君が、某日、「岸先生、大変な本を見付けました。是非、第一読下さい」と持参されたのが、この三田村武夫氏の著書であった。読む程に、私は思わず、ウーンと唸ること屢屢であった。

 支那事変を長期化させ、日支の平和の目をつぶし、日本をして対ソ戦略から、対米英仏蘭の南進戦略に転換させて、遂に大東亜戦争を引き起こさせた張本人は、ソ連のスターリンが指導するコミンテルンであり、日本国内で巧妙にこれを誘導したのが、共産主義者、尾崎秀實であった、ということが、実に赤羅々に描写されているではないか。

 私は東京裁判でA級戦犯として戦争責任を追及されたが、今、思うに、東京裁判の被告席に座るべき真の戦争犯罪人は、スターリンでなければならない。然るに、このスターリンの部下が、東京裁判の検事となり、判事をつとめたのだから、まことに茶番というほかない。

 この本を読めば、共産主義が如何に右翼・軍部を自家薬籠中のものにしたかがよくわかる。何故それが出来たのか、誰しも疑問に思うところであろう。然し、考えてみれば、本来この両者(右翼と左翼)は、ともに全体主義であり、一党独裁・計画経済を基本としている点では同類である。

 当時、戦争遂行のために軍部が取った政治は、まさに一党独裁(翼賛政治)、計画経済(国家総動員法→生産統制と配給制)であり、驚くべき程、今日のソ連体制と類似している。ここに、先述の疑問を説く鍵があるように思われる。
 このショッキングな本が、もっともっと多くの人々に読まれることを心から望む次第である。

 〔1〕319~320頁 全文


 アール・エフ・ラジオ日本社長 遠山景久
 
復刊に際して
 
私はかねがね、大東亜戦争の真の原因について、疑問を持っていた。
 かつて、「コミンテルン・ドキュメント」という膨大な単行本と「リヒャルト・ゾルゲ獄中手記」を出版した際、国際共産主義運動史の文献を随分調べたが、ゾルゲ・尾崎事件の真相及びその背景は仲々解明できなかった。

 また、日本陸軍が、その主力を関東軍に注入し、多年にわたって対ソ戦を想定して、日夜、猛訓練を重ねて来たにもかかわらず、何故、突如として対米戦―大東亜戦争に踏み切ったのか、その理由が今日まで解せなかった。

 ところが、最近、或る学者たちの会合の席で、偶然、この疑問に対するヒントを与えられ、血眼になって捜し、発見したのがこの本である。
 本書は、昭和25年、「戦争と共産主義」という題名で初刷りが販売されたが、当時は占領中であり、GHQ(占領軍最高司令部)民生局ではアメリカの共産主義者が主導権を握っており、同局の検閲官によって、この本は発売禁止になってしまったと聞いている。

 爾来、今日まで、この貴重な歴史の真実を語る文献は、陽の目を見ることなく埋もれていたのであるが、遂に之を発見し、茲に世に出すことを得たのは望外の喜びである。


 
尚、前記「リヒアルト・ゾルゲ獄中手記」の中で、ゾルゲは次の様に、自己の実行を総括し、告白している。
 「私と私のグループの活動は、直接、ソヴィエト連邦将来の繁栄に貢献し、また、間接には、世界革命の為に貢献した。われわれは、ソヴィエト連邦の為でなく、共産主義世界革命の為にも働いたわけである」と。

 ”大東亜戦争の真の原因、即ち正しい歴史の真実” が今初めて、本書によって脚光を浴びることになった訳である。

 この真実が広く世界に知られることによって、自由のために貢献出来るならば、これに勝る幸せはないと思う。

 〔1〕321~322頁 全文

 以下、敗戦による余燼の冷めやらぬ時期に刊行された、初版「戦争と共産主義」について

 読売新聞社長  馬場恒吾

 
三田村君の「戦争と共産主義」を読んで驚異の目を見張らない日本人はどこにあらう。
われわれは今、太平洋戦争に敗れて以来惨めな五年間を経験した。日本の歴史は日本がこれ迄に戦いに敗れた記録を有たなかつた。太平洋戦争が初めてである。

 元より少しでも常識のある日本人には、世界を敵とする如き戦争がさうした結果になることは初めより明白であつた。だから真珠湾攻撃の瞬間迄、そんな馬鹿気た戦争を始めようとは大抵の人は思はなかつた、それが実際起つたとラジオが知らしたとき、われわれは思はず「しまつた」と叫んだ。そして、取り返しの付かないことを初めた日本の軍人の愚かさに愛想をつかすのみであつた。

 三田村君の著書を読んで多くの日本人は再び驚きを新たにするであらう。この無謀な戦争を起こした軍人の背後には彼らを操つていたものがあることを暴露しているからだ。
 それは外でもない。尾崎秀實やゾルゲなど共産党員たることが暴露して処刑に処せられた連中である。かれらの行動は世界をソヴィエトの支配下に置かんとする共産党の方針に従つて行動したものである。その内情を知つてか知らずしてか、かれらと同種類の行動をしたものは今尚日本に活動している。

 三田村君は此書に於いて驚天動地の警鐘を鳴らしている。われわれは一度この警鐘に耳を傾ける必要がある。

 〔1〕311~312頁 全文


 リーダーズ・ダイジェスト・日本支社長 鈴木文史朗
 前略
 尾崎は十余年朝日新聞の記者であつたが、彼が大正の末頃、入社試験に合格して東京朝日の社会部に入つた時の社会部長は筆者であつた。彼の履歴書によると一高から東大と優良な成績を続け、更に大学院まで卒業していた。それにしては、社会部記者としての彼は、特種をとることも文章を書くことも全くダメであつた。学校の秀才、新聞記者としては必ずしも優秀ならざる例に、私はいつも尾崎のことを考へて、新聞学の講演に話したりした。
 中略
 
彼の死後出版された「愛情は降る星の如く」という少女雑誌の随筆の題目のような彼の遺文集が、あまりに評判が高く、左翼の文筆陣は彼を殉教者のようにまつり上げたので、一冊買つて見たが、私には三分の一も読めなかつた。
 書いてあることは彼の一面ではあらうが、他の半面を知り、彼の人物を知つていると、本気になつて読む気になれなかつた。「目的のために手段を択ばず」という共産党の根本思想を実行して、祖国を戦争から戦争へと駆り立てた揚句、陰謀が暴露して獄に入れられ、もう逃れられないと観念して、しおしおとして殊勝なことを書き綴つたものがあの書ではないか。

 中略
 
現在の日本には第二、第三の尾崎がうようよしているように思われる。また、第二、第三の尾崎に駆使されている学者や新聞記者も少なくないようだ。
 三田村君の精励克苦な研究と鋭利な史眼で、この書の結論―現在の日共党員の活動とその最終目標―を書くことを奨めたい。

 〔1〕315~317頁一部抜粋


 参考書籍
 〔1〕 三田村武夫著「大東亜戦争とスターリンの謀略」自由社 2009.2.25



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