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青山税理士事務所
  

インテリジェンス・リテラシー

「モリトモ」、「カケイ」そして「はなみ」

 「インテリジェンス・リテラシー」は中西輝政氏の造語だそうで、情報解析力・情報解読力と、情報の発信力・伝達力というもの含んだ概念である。
 今こそ、「インテリジェンス・リテラシー」が求められているのではないか。

 中国から亡命希望の元スパイ、豪に膨大な情報を提供
 
ナインによると、王氏は有力紙のエイジ(The Age)とシドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)、報道番組「60ミニッツ(60 Minutes)」とのインタビューの中で、中国政府が複数の上場企業をひそかに支配し、反体制派の監視と調査分析、報道機関の取り込みを含む諜報(ちょうほう)活動の資金を出させていることについて、「微細にわたって」説明した。
 https://www.afpbb.com/articles/-/3256283


【朝日新聞英語版】
 
Seoul told Tokyo on Aug. 23 that it planned to let GSOMIA expire after Japan tightened its export control measures on high-tech products to South Korea.
 
South Korea had insisted that it would not extend GSOMIA unless Japan reviewed its stiffer export control measures.
 http://www.asahi.com/ajw/articles/AJ201911220051.html
 韓国がキャッチオール規制を守らないから、ホワイト国(輸出令別表第3に掲げる地域)の優遇を解除しただけのことを、日本が輸出規制を強化してGSOMIAを失効させる計画だったかのように伝えている。

 チャイナによる深刻なスパイ活動が報じられ、一方、「スパイ天国日本」では「はなみ騒擾」で盛り上がり、【朝日新聞英語版】はプロパガンダに勤しんでいるという慣れ親しんだ状況にある。

 「モリトモ」、「カケイ」という餌を撒けば、国会を空転させることを学習した野党やオールドメディアは、今度は「はなみ」ということなのだろう。
 とはいえ、これを意図して仕掛けている勢力がいるとしたらどうだろう。政策論すら交わせず、揚げ足取りしかできない人達は願っても無い戦力になる。

 ランチェスター戦略モデルの市場シェア理論によれば、市場認知シェアが10.9%、市場影響シェアは26.1%である。日本人の平均的なインテリジェンス・リテラシーが市場影響シェアに近づかない限り、憲法改正、防衛力の強化、スパイ防止法の制定及び旧宮家復帰等は難しい。このままだと、日本はチャイナに蹂躙されるのではないだろうか。

 2009.1.13の「サウス・チャイナ・モーニングポスト(香港英字紙)」は、「中国中央政府は450憶人民元を投じて、主要メディアを国際的に拡張し、国際上のイメージ改善を推進していくつもりだ」と対外大宣伝計画(以下、大外宣という、また、対外宣伝活動を外宣という)報じた。

 「アジアの戦争・The Battle for Asia」で、ありもしない日本軍による南京大虐殺を書いたエドガー・スノーは、1937年に「中国の赤い星・Red Star over China」を出版した。現在、「中国の赤い星」は、延安時代のチャイナの見方に影響を与えた最高の外宣工作とみなされている。

 大外宣は1949年の中共の成立と同時に推進され、2003年には「外宣工作三原則」を決めている。
 ①国外ターゲットたちの思考習慣に接近
 ②国外ターゲットのチャイナ情報の需要に応える
 ③チャイナ発展の現実に沿う

 この原則の下、お金をかけて、「外宣メディア本土化」が促進されていく。「パトロン⇔クライアント」というチャイナの利益誘導メソッドは、人間の良心を忘れさせ、何度やってもうまくいく。その手足となるのが、国家外文局という各語学に通じたチャイニーズ・外国人の専門家集団である。

 例えば、「人民中国」日本語版編集委員の横堀克己氏は、チャイナの外国籍外宣専門家の手本とされる一人である。横堀氏は朝日新聞北京支局長になり、チャイナから「友誼賞」を贈られた。因みに「友誼賞」は、チャイナが同国で仕事をする外国人専門家に贈る国家級最高栄誉賞である。

 2009年9月のチャイナ外文局成立60周年では、24種類の期刊印刷出版物、27種類のネット出版物が世界182ヵ国・地域で発行されていると公表された。これらは、国家によって買取られ、大使館に発送されて無料で現地政府・要人・各界のエリートに配られている。
 しかし、「人民中国」日本語版は例外で、有料にも拘らず現在25,000部が発行されている。チャイナでは、「外宣期刊を市場化させ数万部の売上をたたき出すなど奇跡だ」と言われている。
 小泉純一郎元総理外55人の国会議員が読者だそうである。この大成功には、前掲の横堀克己氏の功績が大きいという。

 とはいえ、順風だったチャイナの外宣もさざ波が立ち始めた。
 2016.10.22(リンカーン大統領のゲティスバーグ宣言の日)に、トランプ大統領は、反腐敗法案推進に触れ、新たな職業道徳規範改革により汚職風土を取り除き、特殊な利益集団や、ディープ・ステートによる米国政治への影響力を減らしていくことに言及し行動を開始した。以下、その具体例である。

 ① 学術スパイを世間に晒す
 ②シンクタンクとKストリート※・ロビー集団のチャイナ利害関係の暴露
 孔子学院は2017年には、全世界で140以上の国に500ヵ所以上あり、チャイナの外宣の拠点となっている。特に、孔子学院と統戦部門が共同で設立した「中国学生学者聯誼会」は、天安門事件後に成立し150以上の分会がある。海外留学生の監視とコントロール、現地学校活動への介入工作を任務としている。その行動力は、「長野聖火リレー事件」を思いだせばいいだろう。
 ※ワシントンDCのメイン・ストリートであり、シンクタンク、ロビイスト及び利益集団の密集地である。

 ③ペンス副大統領の演説とドラゴン・スレイヤー派(反チャイナ派)の大成
 (ペンス米副大統領による現政権の対中政策演説 2018年10月4日)
 チャイナの軍事侵略、商業窃盗、人権侵害及び米国の中間選挙干渉等について批判し、大外宣の実態を明らかにした。そして、米国学者のハロルド・アイザック氏の指摘を援用する。

 「チャイナの二つの顔、『高度な文明の顔』と『残忍野蛮な顔』が交互に登場し相互依存している。そのため、チャイナに同情的になったり、排斥したり、加護したり八つ当たりしたりして、いくばくかの痛恨にいたるのである」

 ペンス演説は、マイケル・ピルズベリー氏の「China 2049」に拠るところが多い。ピルズベリー氏こそ、ドラゴン・スレイヤー(米中関係は曇天である)の代表的人物である。

 ④パンダハガー派(米中関係は晴天である)の長期主導による米中関係の今後
 明確な組織を構成していないが、方向性を見失っていた米国外交を「正しい軌道に戻す」という一派も生まれてきた。現在40人ほどのエリート・グループに発展していて「ドラゴン・スレイヤー派」と命名されている。過去24年間は、曇天は短く、晴天は圧倒的に長かったのである。しかし、現政権が続く限り、曇天は長くなるだろう。

 ⑤「フーバー・リポート」がパンダ・ハガーを体裁よく退場させた
 リポートは米国の中国研究の過ち認め、チャイナが米国の民主主義を利用して浸透し、米国政府、大学、シンクタンク、メディア及び企業と華僑界を弄んできたことを指摘している。チャイナのやり方は、資金を深く広くさらに強く投入するもので、米国の多様な暮らしの構造に入り込み、より広範で長期的な影響力を持っている。
「フーバー・リポート」はパンダハガー派退場の機会となったが、その動向は2020年の大統領選挙の結果を俟たなければならない。

 ⑥パンダ・ハガー派の加護喪失、チャイナは米国を失った
 ドラゴン・スレイヤー派の台頭によって、孔子学院や大学のチャイナ研究の拠点が次々閉鎖されている。とはいえ、⑤のとおり、2020年の大統領選挙の結果に左右されることに変わりはない。チャイナの凄まじさを侮れないからである。
 2018年12月、米国上院委員会は、チャイナのスパイ問題の公聴会を行った。その時のジョン・デマーズ長官補佐官の証言である。

 ・2011~2018年に、90%の国家スパイ事件にチャイナが関わっている。
 ・そのスピードか加速しており、米国企業の知財権を盗みとり、中国市場とグローバル
市場において、米国企業に取って代わろうとしている。

 また、FBI高官も、チャイナスパイの活動は進化していて、国家と経済安全の脅威であると言っている。

 米国ではパンダ・ハガーの拡大を妨ぐべく、ドラゴン・スレイヤーという新たな対抗勢力が生まれ国家と国民の利益の為に闘い、平和ボケの日本では、「桜を見る会」の瑕瑾探しが耳目を集めている。「モリトモ」、「カケイ」そして「さくら」と、繰り返されるこの手の騒動が、国会の正常な運営を妨げている現実をどう解釈したらいいのだろうか。

 シュレッダーを見て何が分かるのか、凡人には窺い知ることはできない。しかし、朝日の立ち位置だけは明確に見える。
 桜を見る会、野党のシュレッダー視察を「稼働中」と拒否
 
首相主催の「桜を見る会」をめぐり、立憲民主党などの野党統一会派と共産党など野党は25日、追及チームを議員76人態勢の追及本部に格上げし、新たに発足した。れいわ新選組など幅広く野党が結集し、現地視察など調査を強化する。
 https://www.asahi.com/articles/ASMCT66BZMCTUTFK014.html

 
世の中の一般大衆(マス)が、どうのような習慣を持ち、どのような意見を持つべきかといった事柄を、相手にそれと意識されずに知性的にコントロールすること・・・は、民主主義を前提とする社会において非常に重要である。この仕組みを大衆の目に見えない形でコントロールすることができる人々こそが、現代のアメリカで「目に見えない統治機構」を構成し、アメリカの真の支配者として君臨している。
 〔2〕プロパガンダ


 参考書籍
 〔1〕 中国の大プロパガンダ 恐るべき「大外宣」の実態 何清漣著 福島香織訳 ㈱扶桑社 2019.10.30発行
 〔2〕 エドワード・バーネイズ著 中田安彦訳「プロパガンダ」㈱成甲書房
2010.10.15



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