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税理士・社会保険労務士
青山税理士事務所
  

あり得ないことが起きる時代

歴史を学び、情報戦に備えよう

 初春の令月にして 気淑(きよ)く風和ぎ 梅は鏡前の粉を披(ひら)き 蘭は珮後(はいご)の香を薫(かお)らす

 新月の好(よ)き月、空気は美しく風は和らぎ、梅は鏡前の白粉(おしろい)の如く白く咲き、蘭は女性が纏う匂い袋のような香りを漂わせている。
 ・・・「令和」の起源である。

 令月は陰暦では2月にあたり、万事をなすのによい月でありめでたい月とされていた。その令和の御代も4年目になる。自然を受け入れ歴史の流れの中で培われてきた日本文化が、激流に翻弄される小舟のように感じる。万葉の時代から見れば異次元の時代に私たちは生きている。

 四季の移ろいを愛でる時代から、生き馬の目を抜くように変転する時代になった。従来の理念が雲散霧消して、戦争の概念すら変わってしまった。

 
すべての境界と限度を超えた戦争、簡潔にいえば超限戦である。この呼び方が成立するなら、このような戦争では、あらゆるものが手段となり、あらゆるところに情報が伝わり、あらゆるところが戦場になりうる。すべての兵器と技術が組み合わされ、戦争と非戦争、軍事と非軍事という全く別の世界の間に横たわっていたすべての境界が打ち破られるのだ。また、これまでの多くの作戦原則が修正され、ひいては戦争にかかわる法律さえ改正の必要に迫られるだろう。

 
戦場はすぐそばにあり、敵はネット上にいる。それは硝煙の味もしなければ、血なまぐさい臭いもしないかもしれないが、それは依然として戦争である。

 組み合わせも融通無碍に変化する。
 
戦場と非戦場、戦争と非戦争、軍事と非軍事、具体的に言えば、ステルス機や巡航ミサイルとインターネット・キラーを組み合わせること、核の威嚇や金融戦とテロ襲撃を組み合わせること、あるいは、シュワルツコフ(米国の軍人)+ソロス+モーリス・ジュニア(ペットニュートリションのオーナー)+ビンラディンを考えたことがあるかどうかである。これこそ、われわれの真の切り札なのだ。
 〔1〕以上青字中の黒字は青山による

 
そもそも超限戦は民間セクターを含め、全てを兵器化し、民間人も戦争に参加させる(経済や文化が兵器になるのだから当然そうなる)のだから全体主義的価値観の社会でなければ実行は難しい。
 ちなみに「民主主義」も戦争のための兵器と考えれば、古い非効率な兵器は代替されてしかるべきということになる。「ソビエト連邦は核兵器競争では負けなかったが、西側の世論操作で崩壊した」とロシアは考えている。

 https://kadobun.jp/reviews/5cimwltgqmko.html

 「経済安全保障」とは武器を使わない戦争であり、経済をコントロールできれば相手国に圧力をかけ優位に立つことができる。新型コロナウィルスの蔓延によりマスクが不足したが、中国はマスク外交により圧力をかけた。これこそが正に「超限戦」であろう。

 「日本で兵器に転用できる技術はないか?」企業買収の現場で
 
中国の狙いは、西側、つまり欧米や日本の機微技術や軍民両用(デュアルユース)技術を入手して、中国人民解放軍の装備を近代化し、世界一の軍隊に仕立て上げること。
 特に「智能化」と呼ばれる方針では、情報処理や通信技術を兵器に組みこもうとしています。

 最大の問題は、その過程で自国での研究を発展させるだけでなく、西側諸国が研究している成果を、様々な形で盗み取ること。日本から見れば、中国への技術流出、人材流出に留意しなければなりません。

 https://sakisiru.jp/13370

 上記は、
「経済安全保障リスク」━━米中対立が突き付けたビジネスの課題(育鵬社)の著者、平井宏治氏のインタビュー記事である。是非、三編全部読んでほしい。

 「中国IT大手」出資の楽天が、日米両政府に監視されるべき理由
 https://www.esquire.com/jp/culture/column/
a36407506/dol-why-rakuten-should-be-overseen-by-us-and-japan-governments/

 とるに足らない無駄話等がマクロでは貴重な情報になる。私はLINEを利用しないけれど、どうやら、少数派らしい。

 日本には平和主義者が多い。しかし、その平和をどのようにして維持するのだろうかといつも思う。戦争のレベルはすでに「超限戦」になっている。日本が「超限戦」の餌食にならないよう、平和主義もリアリズムに依拠したものであって欲しい。

 そのためには、歴史を学ぶことは大切だと思う。現代に続く一筋の道が見えればプロパガンダに惑わされることもない。

 江藤淳は下記の戦後三部作で、戦後の日本の言語空間を検証した。なぜ、自虐史観が生まれたのか、協力したのは同胞であり、彼らが戦後利得者になったのだ。

 
・閉された言語空間 占領軍の検閲と戦後日本
 ・忘れたことと忘れさせられたこと
 ・一九四六年憲法━━その拘束


 一方、米国ではフランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領(以下、FDR)を糾弾する見解が元大統領等から出ている。
 嚆矢となったのが、米国政治学会会長、米国歴史協会会長を歴任したチャールズ・A・ビーアド博士だった。

 ビーアド博士は、FDRは日本の奇襲に劇的な効果を与えるため、アメリカが日本海軍の暗号を破って入手した日本の計画をハワイの軍司令官たちに知らせなかったと主張した。
 このため、ビーアド博士は祖国に対する背信行為だと非難された。高かった人気は失われ、旧友たちも離れていった。
 しかし、ビーアド博士の死後、「FDRはアメリカを戦争に導くために、様々な措置を講じた」と主張する学者が現れるようなる。
 アメリカ経済は、日米開戦によって急速に回復した。経済的視点でいえば、FDRは戦争により需要を創造したのだ。

 この貴重な歴史書の翻訳版は、日米開戦70年記念として、藤原書店から2011年に発行された。
 
①「ルーズベルトの責任」上下 チャールズ・A・ビーアド著 藤原書店 開米潤監訳 阿部直哉・丸茂恭子訳

 また、多様なFDRの批判本も日本で刊行されている。

 日米戦争については、フーバー大統領等がFDRを糾弾していることも視野に入れるべきだろう。以下、渡辺惣樹氏による浩瀚な翻訳本である。
 
②「裏切られた自由」上下 草思社 ハーバート・フーバー、ジョージ・H・ナッシュ編
  フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症

 ③「裏口からの参戦」上下 草思社 ルーズベルト外交の正体1933-1941
  チャールズ・カラン・タンシル著

 ④「ルーズベルトの開戦責任」草思社 大統領が最も恐れた男の証言
  ハミルトン・フィッシュ著

 ⑤「アメリカはいかにして日本を追い詰めたか」草思社
  ジェフリー・レコード著

 上記の翻訳本のうち、①②③の上下巻ものは大部だが、④⑤が比較的読みやすいだろう。

  また、渡辺惣樹氏自身の書籍もある。
 「日米衝突の根源」1858・・・1908
  草思社


 上記①~⑤は何れも、冷徹なリアリズムによってFDRを批判している。日本の平和主義は高邁であり、大変結構なことだと思う。とはいえ、イデオロギーによる「日本悪玉論」が席巻すると、間違いなく超限戦の餌食になる。

 幸い、スマホの普及によって正しい歴史観を持つ人たちが増えた。電波オークションが実施できれば、軽薄なメインストリームメディアは消えていくだろう。
 令和4年が事始めになることを願っている。

 参考書籍等
 〔1〕喬良 王湘穂著 「超限戦」角川新書 2020.1.10発行

 

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