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クロスオーナーシップの弊害

異様な言語空間

 2020.8.8産経新聞「産経抄」から
 
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▼朝日新聞は6日、安倍晋三首相の広島市内での記者会見で、朝日記者の腕を首相官邸報道室の職員がつかみ制止したとして報道室に抗議した。これだけ聞くと、官邸側が高圧的に都合の悪い質問をやめさせたような印象を受けるが、実際はどうだったか
 ▼報道室は事前に、質問は「4問のみ受け付ける」と告知していた。ところが、朝日記者は4問目の質問が終わった後にも質問し、それに首相が答えてもさらに質問を重ねようとしていた。報道室側は「広島空港への移動時間が迫っていた」とも説明し、腕をつかんだことも否定している
 ▼思い出すのが、第1次安倍政権時のことである。当時は原則として昼と夜の2回、記者団による首相ぶら下がりインタビューがあった。安部首相は語っていた。「質問者は各社1人でいいはずだが、朝日は4人も5人も出していろんなか角度から次々に質問し、失言を引き出そうとする」
 ▼4日には、首相官邸で記者団の質問5問に答えて退廷しようとした安倍首相に対し、毎日新聞記者が「総理、逃げないでください」との声を浴びせた。この様子を日本共産党がツイッターで取り上げると、「この記者が私です」とまるで手柄誇りするように名乗りを上げる始末だった
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 情報媒体をメディアといい、テレビ、新聞、インターネット等がある。テレビは、一次情報を正確に伝える「報道機関」であり、一次情報を精査・分析してその結果を伝えるのが「言論機関」たる新聞である。したがって、分析能力が稚拙であれば新聞は淘汰される。日本では、新聞社が報道機関を傘下に置き、特定資本が複数のメディアを所有する「クロスオーナーシップ」になっている。

 先進国では、メディアの集中を制限、排除して、報道機関と言論機関相互の牽制をほう助している。日本は野放しであり、「クロスオーナーシップ」の弊害が顕著である。

 敗戦後GHQが、検閲によって「閉ざされた言語空間」を構築した残滓(戦後利権)として、日本には異形の「クロスオーナーシップ」が残った。朝日新聞も毎日新聞も、GHQの置き土産として生き永らえ、インフルエンサー(影響力行使者)であり続けている。

 朝日新聞や毎日新聞で思い出すのは、「歴史教科書検定問題」だ。
 昭和57年7月26日、27日頃から、連日新聞で「歴史教科書検定問題」が取り上げられた。高校の歴史教科書が、大陸(チャイナ)に対する「侵略」と書いていたのを、文部省の検定によって、「進出」と書き改めたというものである。

 「文部省の教科書検定によって、侵略が進出に書き換えられた」ということが拡散され、連日の大騒ぎになり、国際問題にまで発展した。

 これほどの騒ぎになれば、「どの教科書がそれをやったか」と考える人もでてくる。渡部昇一氏の知人で実業家の板倉由明氏が、7月27日午前11時頃に朝日新聞・社会部に問い合わせると、朝日の栗田氏は次のように答えた。
 「
今さがしているが、侵略を進出と書き換えた例はあるはずである

 一方、毎日新聞のアクション・ライン(まま)は一向に要領をえなかったという。また、午後2、3頃に文部省の教科書検定課に電話したところ、担当の石本氏は、「
そういう例はありません」といった。

 27日のNHK・ニュースセンター九時で、「日本の大陸進出」と書かれた教科書を周囲を黒塗りにして出したことを板倉氏は確認している。しかし、「侵略」と書かれた同じ教科書がなければ、それを「進出」に書き換えたという証拠にはならない。「日本の大陸進出」の前後の文脈すらわからない眉唾物だが、これがその教科書だとNHKがテレビで見せれば、視聴者は「本当だったんだ」と思い込むだろう。それを、NHKが計算していたとしたら恐ろしいことである。
 とはいえ、公共放送たるNHKの高視聴率番組「ニュースセンター九時」の影響は絶大だった。

 板倉由明氏は、翌7月28日に朝日新聞の社会部に再度電話し、「侵略を進出に換えた教科書の例は見つかりましたか」と尋ねた。それに対する朝日新聞の栗田氏の回答の要旨は以下のようであった。
 「
今度は見つからなかったが、以前にはあったはずだ。字句の問題などではない。文部省の態度が問題なのだ

 板倉由明氏は書き換えの事実を問い、北京も「書き換えの具体的な字句」を問題にし、そのことが国際問題になっているのだが、朝日は「文部省の態度が問題」だと、論点をずらした。

 「従軍慰安婦」なるものを捏造した朝日新聞の体質が透けて見える。事実はどうでもいいのだろう。朝日新聞は文革時代にも、北京に都合のいい報道をした。報道よりも、チャイナの宣撫工作のようなことをしてきた。更に遡れば、戦前の戦意昂揚報道、尾崎秀實の手足となって南進政策を吹聴し日米開戦を誘発したことにも行き着く。

 この虚報の影響は、ニューズウィークやタイムの大新聞もとりあげ、「戦時中の日本の侵略行為が新しい教科書から消える」と報道された。「南京大虐殺の虚構」の影響もあるが、読者の投書欄では「ヒロシマやナガサキの悲劇を嘆く資格がない」とまでいわれた。
 地方紙のニューヨークタイムズではなく、大新聞が日本の文部省を、「一九八四年(ジョージ・オーエルの未来独裁社会を描いた小説)」そのものである論じたのである。

 その後、「侵略→進出の書き換えの事実なし」が明らかになたっとき、朝日新聞の対応はどうだったか。新聞は「見出し」で読み、ベタ記事はあまり読まないことが多いので、朝日は、「大見出し」で言いたいことをいい、ベタ記事で訂正をした。
 8月25日の朝日新聞の訂正は、この問題の研究者しかわからないような構成だったので何事もなく済んだ。

 しかし、9月7日のサンケイ新聞は、大見出しで「読者におわびします」として、四段抜きで、「侵略」→「進出」誤報の経過、という見出しを使ったので読者はベタ記事も読んだ。サンケイ新聞は翌9月8日の紙面でも、再び五段抜きの大見出しで、「教科書問題・中国抗議の土台ゆらぐ」とし、更に四段抜き二行にわたる囲みで、「発端はマスコミの誤報からだった」と報じたのである。
 9月9日、北京政府は日本側の説明を突如受諾し、教科書問題は一挙に外交的な決着をみた。

 朝日新聞の果たした役割とは、「一体何だったのだろうか」。


 参考書籍等
 〔1〕渡部昇一著「萬犬虚に吠える」徳間文庫1997.12.15発行
 〔2〕2020.8.8 産経新聞「産経抄」



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