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税理士・社会保険労務士
青山税理士事務所
  

米中貿易戦争の開戦

「危急存亡の秋」かもしれない

 米国は会計年度ごとに国防権限法(National Defense Authorization Act 以下NDAAという)が制定され、5年間の国防予算の枠組みを決めている。NDAA2019は、2018.8.25に逝去されたジョン・マケイン上院議員の名前を冠している。

 2018.8月に安全保障の観点から、対米投資規制と輸出管理規制に関する法律が成立しているが、この二つがNDAA2019に組み込まれた。NDAAは、外交、経済取引及び文化活動にも制限を加える条項があるので、影響は広範囲に及ぶ。注目すべきは、NDAA2019が超党派で可決されたということであろう。

 下院:賛成351 反対66
 上院:賛成85 反対10

 トランプ大統領は、NDAAに従って大統領の任務を遂行しているのだ。このことを勘違いしてはいけない。6391億ドルに及ぶNDAA予算配分をみれば、オールドメディアに翻弄されている日本人の「平和ボケ」の異様さが際立つだろう。
 以下、NDAAの予算が配分される項目の概要である。

 ・兵士とその家族の保護(賃上げ、採用、家族の支援、軍務に就いた人々への敬意等)
 ・即応性の回復(訓練の強化、装備の更新、修理設備費の充実、近代兵器の建造等)
 ・戦略的即応(ロシアとチャイナに対抗しうる核体制の見直し、宇宙戦争への包括的な対応等)
 ・新しい脅威に直面して(先端技術の強化等、ロシア、チャイナ、北朝鮮、テロ対策、イラン等への対応等、そして対米投資委員会《Committee on Foreign Investment in the United States、以下、CFIUSというの改革である

 CFIUSの改革は米国の事業への外国人による投資を、支配目的に限定することなく、
 ①重要な非公開技術情報へのアクセス
 ②米国企業の取締役会(若しくは同等の統治機構)への参加若しくは人事権の付与
 ③議決権以外の手段による重要な意思決定への関与
が加わり、審査対象が広がった。

 その上で、対米投資規制のため、外国投資リスク審査現代化法(Foreign Investment Risk Review Modernization Act 、以下、FIRRMAという)と、輸出管理規制となる輸出管理改革法(Export Control Reform Act 、以下、ECRAという)が大幅に改正され、軍事利用も可能な最先端技術の「入り口・FIRRMA」と「出口・ECRA」を規制することになったのである。

 CFIUSも、FIRRMA・ECRAも、NDAAに組み込まれているということの重みは、日本にとって「対岸の火事」ではないということだ。日本の企業はチャイナに深入りしているため、対応は速やかに、かつ影響は長期化しリーマンショック級どころではないだろう。

 【高論卓説】米規制で高まる中国リスク 対象広く、急がれる日本の対応
 
https://www.sankei.com/premium/amp/190504/prm1905040007-a.html?__twitter_impression=true

 ここで問題になるのは日本の対応ということになる。ECRAには、再輸出に関する規定があり、これまで許可対象でなかった米国の持つ技術・製品が許可対象となり、日本企業や研究機関の米国技術の再輸出、中国内への移転、中国企業内でのやり取りに制約がかかる可能性が高い。
 MIT(マサチューセッツ工科大学)など米国の先端技術研究を行っている多くの大学は、華為技術(ファーウェイ)からの資金提供を拒否し、共同開発や技術供与などをやめると発表している。

 FIRRMA・ECRAの成立と変容する米国の対中観―米中の狭間に立つ日本への示唆
 https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/report/report18-1128.pdf

 2018年8月13日、安全保障の観点に立った対米投資規制と、輸出管理規制に関する2つの法律が、トランプ大統領の署名を経て成立した。
 それぞれ、外国投資リスク審査現代化法(FIRRMA)、輸出管理改革法(ECRA)と呼ばれ、2019 年度の国防予算に関するジョン・マケイン国防権限法
(John S. McCain National Defense Authorization Act of FY2019、以下NDAA2019)の一部(第XVII 編)を構成する形がとられた。
 他の歳出法案と異なって採決の年度跨ぎが許されない国防権限法の中に FIRRMA・ECRAが統合された事実は、2 つの規制に対する関心が超党派の広がりを持っているとみなすことができる。


 ※参考
 米国輸出管理改革法(ECRA)に関する基本的 QA
 http://www.cistec.or.jp/service/uschina/3-ecra_qa.pdf


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