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税理士・社会保険労務士
青山税理士事務所
  

共産主義・Communism

フランクフルト学派

  四、民主主義革命と民主連合政府
(一一)現在、日本社会が必要としている変革は、社会主義革命ではなく、異常な対米従属と大企業・財界の横暴な支配の打破―日本の真の独立の確保と政治・経済・社会の民主主義的な改革の実現を内容とする民主主義革命である。
五、社会主義・共産主義の社会をめざして
(一五)日本の社会発展の次の段階では、資本主義を乗り越え、社会主義・共産主義の社会への前進をはかる社会主義的変革が、課題となる。・・・
社会主義的変革の中心は、主要な生産手段の所有・管理・運営を社会の手に移す生産手段の社会化である。・・・
 日本共産党綱領
http://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/Koryo/

 日本共産党の綱領は、戦前のコミンテルン・32年テーゼのブルジョア民主主義革命から社会主義革命を起こすという、いわゆる二段階革命説を継承している。

 また、皇室制度についても、
党は、一人の個人が世襲で「国民統合」の象徴となるという現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく、国民主権の原則の首尾一貫した展開のためには、民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだとの立場に立つ。天皇の制度は憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきものである。
(同綱領)と、否定する。

 共産主義を単純化すれば、生産手段を国有化(社会化)して一党独裁の下で経済的平等をめざすというものだ。生産手段が私有化されるから、小作人と地主、労働者と資本家等のような被搾取と搾取の関係になってしまう。
 そこで、革命によって労働者政権が地主から土地を、資本家からは企業資本を取り上げて、生産手段を国有(社会化)して労働者による平等な社会にしようというのだ。
 とはいえ、歴史上この過程(生産手段の社会化)で必然的に独裁政権になる。そして、理想とする共産主義社会は未だに実現されたことはない。

 複雑なのは、コミンテルンのテーゼは階級闘争を前提にした二段階革命であることだ。しかし、GHQの占領政策を構築したOSS(※戦略情報局)のメンバーは、ナチス政権下でドイツからアメリカへ亡命したフランクフルト学派の社会主義者だった。
 フランクフルト学派は「批判理論」によって、現代そのもを批判し、将来の共産主義を目途とする二段階革命を唱える。それは、急進的でなく漸進的に、決して露骨な階級闘争を目途としない。

 日本人にはユダヤ人に対する一切の偏見はないけれど、フランクフルト学派を考える時ユダヤ人であることが意味を持つ。マルクスはユダヤ人であり、ルーズベルト大統領(以下FDR)もユダヤ人の後裔であり、FDRを取り囲んだのもフランクフルト学派のユダヤ人であった。
 彼等の孤立意識が、共産主義や社会主義を醸成していったのである。しがって、FDRのニューディール政策は、ケインズにはない労働政策があることからして社会主義的であるといえる。

 フランクフルト学派の「批判理論」とは、インテリをターゲットにした知的な革命思想のことで、全共闘世代、団塊の世代にみられるムード的な左翼を想起すればいいだろう。一見穏やかにみえるけれど、理性的なものを破壊して人間性を否定したうえで止揚(アウフヘーベン)するというものである。マルクスは、資本主義の下での人間を破壊しなければ共産主義に辿り着けないといった。マルクスの過激な革命路線でないことが、知的なインテリを捉えたのである。
 このムード的左翼の思想(批判理論)が、民政局次長チャールズ・R・ケーディスらが作った昭和二十一年憲法に埋め込まれている。したがって、憲法に「民主主義」という言葉はなく、革命の遂行を妨げる軍隊は排除されているのである。

 マッカーサーが最も信頼していたのが、都留重人と親しかった日本生まれのエドガートン・ハーバート・ノーマン(戦後共産主義者の嫌疑をかけられ、カイロで飛び降り自殺をした)である。ノーマンはケーディスの下、20万人以上の公職追放に協力した。
 新たに登用された人たちによって、フランクフルト学派の思想「批判理論」が日本社会に浸潤して、現在の自国を貶める反日活動に繋がっている。

 フランクフルト学派は多文化主義を肯定し、価値観の上下を否定してすべて平等とする。進歩主義、ジェンダーフリー及び夫婦別姓等、歴史における価値観を粗末に扱い理性的なものや人間性を破壊する隠微な革命思想である。
 戦後政党活動が禁止された中で、共産党だけはノーマンの助言によって活動が許された。フランクフルト学派による「批判理論」はGHQという追い風にのって、ごく自然に戦後社会に埋め込まれていった。

 冒頭の日本共産党の綱領が、マルクスの革命思想なのか、フランクフルト学派の革命思想なのか、私にはわからない。いえることは、二段階革命を継承し、二千年の間国民が支え、よりどころとしてきた皇室を否定する政党が、民主主義国の日本に存在しているということである。そして、志位和夫・日本共産党委員長は、2000年の就任以来、実に17年以上その職にあるということである。
 ※戦略情報局・Office of Strategic Services:FDLの死後、CIAに引き継がれる。

 最後に、フランクフルト学派と真っ向から対立する思想を紹介しよう。
 伝統としての秩序は現在世代が過去世代から継承した「相続財産」であり、それゆえ自由はその財産の「一時的使用」である。一時的というよりも限定つきというほうがよいかもしれない。
 なぜなら、その財産は未来世代へ遺産として残してやらなければならないからだ。進歩主義とは、このせっかくの資産を食いつぶすというよりもむしろ負債とみなし、できるだけ速くできるだけ大きくそれを破壊したり投棄したりすることに喜びを感じる精神の病のことだといって過言ではない。

 西部邁「思想の英雄たち」角川春樹事務所
 西部邁氏は平成30年1月21日逝去されました。心よりご冥福をお祈りいたします。

 平成30年2月17日加筆
 時間があれば、下記の「批判理論」という革命思想を確認していただきたい。見事な本質のすり替えであろう。
 
・・・神話に由来し宗教的色彩の濃い剣璽承継が、なぜ国事行為なのか。政府は剣璽を「皇位とともに伝わるべき由緒あるもの」と説明し、宗教性を否定する。だが、問題を指摘する声は学界などに依然としてある。・・・
 ・・・存廃どちらでも人びとの生活に影響はない。問題は、意味を失った規定を整理するという合理的な考えが退けられ、典範に手をつけるのは冒涜(ぼうとく)・不敬だとする言動がまかり通ることだ。戦前に重なる風景で、国民主権のもとに象徴天皇制があるという基本認識を欠く。・・・
 https://www.asahi.com/articles/DA3S13361515.html

 参考書籍
 田中英道著 戦後の日本を狂わせたOSS「日本計画」展転社 2013.2.23

 江崎道朗著 コミンテルンの謀略と日本の敗戦 PHP新書 2017.9.21



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