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税理士・社会保険労務士
青山税理士事務所
  

ロシアは悪い国か

お花畑の日本はこれからどうなる?

 「戦争反対」という異形の四文字が席巻する日本でも、「プーチン叩き」が喧しい。このような場合、叩く側に立てば気を揉むこともないだろうが、素直に納得できない何かを感じる。

 島田洋一氏によると、
「米下院情報委員会でウィルアム・バーンズ中央情報局(CIA)長官が、「プーチンに助言する側近グループは益々小さくなり、しかも誰一人異論を唱えられる状況にない」との分析を披露したそうである。
 〔1〕「天下の大道 独裁者に独自抑止力を」 参照

 バーンズ氏は職業外交官で、ロシア語ができ、駐露大使を含め複数回のモスクワ勤務がある。しかも、プーチン氏とも幾度となく面談していて、プーチン氏の状況を肌で感じる立場にあった。

 では、なぜプーチン氏はウクライナ侵攻を決断したのだろうか。藤井厳喜氏は、
「侵攻のタイミングについて言えば、現米英政権による謀略が成功した結果だ」という。

 ホワイトハウス内で扇動政策を担ったのが、ジェイク・サリバン補佐官だった。彼は、謀略家で陰湿な男といわれ、「スネーク」というあだ名がある。「ロシアゲート」でも、トランプ陣営に盗聴を仕掛けた中心人物だ。2020.11.3のアメリカ大統領選挙の推移をリアルタイムで見てきた者なら、この類の組織の凄まじさが想像できるだろう。

 サリバン氏は連日、「ロシアによるウクライナへの大規模な軍事行動が今にも起こる可能性がある」等の発言をしていた。

 ロシアも、ウクライナ東部のドネツク・ルガンスク両州(ドンバス地域)でロシア系住民に対し残虐行為があったと主張している。実行犯は、ウクライナ国軍ではなく、現地や米英系の私兵集団による公算が大きい。

 トランプ氏は、ありもしない「ロシアゲート」で随分叩かれたが、バイデン政権は反ロシア、親中国を基本路線にしている。そして、バイデン大統領には、ハンター・バイデンのウクライナの天然ガス会社(ブリスマ)からの巨額賄賂に関して、ウクライナ司法への介入問題もある。すくなくとも、今のところウクライナ紛争によってこの問題は棚上げされている。

 バイデン政権は支持率の低下に喘いでいたが、結果的に?、ロシアのウクライナ侵攻が救世主になった。

 仮に、ウクライナ紛争によって、ロシアとドイツの天然ガスパイプライン(ノルドストリーム2)が稼働停止になれば、地球温暖化(論争?、私は与しないが)も防ぐことが出来る。

 藤井厳喜氏はロシアの伝統的な行動パターンを指摘する。ロシアは長期的な経済的利益と、地政学的利益(領土拡大)の二者択一となったら、必ず地政学的利益を優先する。
 いわばロシアは「熊」のような国で、目の前の肉(領土)をちらつかせたら、必ず噛みついてくる。

 2014年のクリミア半島併合も同じだった。クリミア半島以外でも黒海に面しているロシア領があるのだから、無理に併合する必要はなかった。

 同じころ、エクソンモービルがロシアの北極海下にある天然ガスの大開発を共同で開発する計画案があった。その矢先、前記のクリミア侵攻によって北極エネルギー開発が中止になった。5兆円のプロジェクトが消えてしまった。

 当時は民主党のオバマ政権で、オバマ大統領も反ロシアであり米ロ関係を潰すように動いていた。そして、ロシアのクリミア侵攻が起きた。
 〔1〕①

 2014年にヤヌコビッチ大統領がロシアへ逃亡後、ヤツェニュク首相による暫定政権はネオコンとネオナチに支配されていた。彼らが(アゾフ大隊・私兵集団)東ウクライナのロシア系住民を虐殺し続けていたのである。
 この時の米国務省欧州及びユーラシア担当次官補が、現在のアメリカ国務次官ビクトリア・ヌーランド(ネオコン)だ。
 〔1〕②

 昨今喧伝されている「地球温暖化論争」(左派に多いと思うが)の視点に立てば、石油・天然ガスの輸出を国力の基盤とするロシアは地球温暖化を推進する悪い国であり、ロシアを潰すことに正当性があるということだろう。

 ウクライナ紛争も、クリミア半島併合と同じように意図をもって熊の前に肉をちらつかせた。

 しかし、今回のウクライナについては、「その意図」が米英によって周到に準備されたものであり、今後の成り行きが心配である。尚、ロシア(プーチン氏ではない)については、ユヴァル・ノア・ハラリ氏が端的に表現している。

 
たとえば、ロシアは民主主義国家を装い、指導部は寡頭制ではなくロシアのナショナリズムと東方正教会の価値観への忠誠を公言する。フランスとイギリスの右翼の過激派は、ロシアの支援を仰いでプーチンを礼賛してもおかしくないが、彼らを支持する有権者でさえ、実際にロシアのモデルをコピーしたような国には住みたくないだろう━━━腐敗が蔓延し、各種のサービスは機能せず、法の支配は絵空事で、信じれれないほど不平等な国には。
 見方によっては、ロシアは世界でも指折りの不平等な国で、富の八七パーセントが一〇パーセントの富裕層の手に集中しているという。フランスの右派の政党「国民連合」を支持する労働者階級の人々のどれだけが、この富の分配のパターンを自国で真似たいと望むだろう?
 
 〔2〕029頁

 今後のロシアがどのようになるのか、矛盾を抱えるロシアに平穏な体制移行が出来るとは思わない。ドイツは180度の方針転換を明らかにした。アメリカで蠢くネオコンと「観念的平和」に拘束された日本の組み合わせは最悪だろう。昨今の急激な円安は、更なる日本買いの好機でもある。

 問題は能力の限界ではなく、執念の欠如である。 土光敏光

 参考書籍等
 〔1〕WILL 2022MAY ワック出版局
   ①「プーチンを挑発しまくった米国」藤井厳喜
   ②「プーチンを狂わせた戦争の仕掛人」馬淵睦夫
 〔2〕「21 Lessons」━21世紀の人類のための21の思考 ユヴァル・ノア・ハラリ著、柴田裕之訳 株式会社河出書房新社 2019.11.30発行

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 下記は、ある協同組合の業務報告書で使用したものだが、氾濫する情報を読み解く一助になれば幸いである。
 
  経済産業省「広告業の業務種類別売上高、事業所数及び常用従業者数」による。

 2006年から最上層(その他)の下(インターネット広告)が急増している。
 全広告売上に対する新聞・テレビ・ラジオの広告売上の割合(右軸:折れ線グラフ)は、1988年:53.7%、2020年:28.7%だった。従来は「新聞・テレビの広告」と「購買意欲」の間に、一定の期間があり、「購買意欲」の醸成を経てブームがあった。
 しかし、情報と広告が密接になると、多様化が進み、消費者が直接コントロールされる時代になっている。



 総務省「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」による。

 「テレビ・新聞」に対する信頼度は、特に40代から高くなり、かつ「インターネット・雑誌」と信頼度が逆相関になっている。「テレビ・新聞」は情報の発信源が明確だったが、ソーシャルメディアでは受け手側が「転送」することも多く、情報源があいまいなまま拡散される。
 ソーシャルメディアの普及によって、情報を適切に判断・運用できる能力(インターネット・リテラシー)が求められる時代になった。


 International Monetary Fund, World Economic Outlook Database, October 2021
 単位:10億ドル、自由主義市場経済でない中国のデータは除外している。

 最上層(青線)で拡大しているアメリカを「上あご」だとすれば、すぐ下の赤線は停滞している日本の「下あご」になる。この青と赤の線はいわゆる「ワニの口」のようになっていて、構図は以下のようになるだろう。

 ●㈱四季報ONLINEの2022.1.18発表の米財務省最新データによると、外国勢の2021.11.30の米国債保有残高は7兆7500億ドルで過去最高になった。
 日本の保有残高は、202億ドル増加して過去最高の1兆3400億ドルになり、外国勢の17.3%を占めている。因みに、中国は1兆800億ドルで外国勢保有残高の13.9%である。

 ●そもそも、日本の「ゆうちょマネー」は財政投融資として国内で運用していた。しかし、米国債等の保有によって「日本財布論」が喧伝されるに至った。

 ●市場万能主義、供給サイドの経済学(供給力を強化することで経済成長できる。生産されたものは全て消費されるという前提)、公共投資の制約、日本の異次元金融緩和、二度の消費税増税によるデフレの継続によって、上記の「ワニの口」は生まれている。


●日本銀行券:お札 ●日銀当座預金:金融機関が日銀に預けている無利息の当座預金 
 ●マネタリーベース:「日本銀行券発行高」+「貨幣流通高」+「日銀当座預金」

 QQE(量的、質的金融緩和)とは、日銀が市場を通じて国債を買い、市場にお金を供給して購買力を刺激する政策だ。
 同じお金でも国債発行によるマネーの供給は金利を伴うが、日銀が通貨を発行して市場に供給すれば金利を伴わない。市場にお金が出回れば購買力を刺激するという前提である。

 このように金利を伴わないお金を市場に供給して、景気を刺激するのが金融政策である。しかし、日本のように金利がゼロ近くまで下落すると、貨幣の保有が選好されるようになり利下げによる景気刺激策は無効になる。ケインズがいう「流動性の罠」だ。

 プリンストン大学のクリストファー・シムズ教授は、金融政策が効かない理由を「物価水準の財政理論」で説明している。
 シムズ教授は、金融緩和は有効であるが、より強い効果を出すためには「財政拡大」と組み合わす必要を主張する。財政拡大とは、減税及び公共投資等だが、日本は消費税増税と緊縮財政という真逆の政策を実施している。

 あたかも、経済成長を回避しているかのように見える。「G7のGDPの推移」のワニの口をみれば明らかだろう。

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