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税理士・社会保険労務士
青山税理士事務所
  

米軍のアフガン撤退

行動を興す秋(とき)


 R3.1以降の推移から、今回の山はピークアウトしたようだ。

 1991年12月のソ連崩壊後、マーストリヒト条約によってEUの萌芽を見た。1992年には、フランシス・フクヤマ氏が「歴史の終わり」を発表して世界は明るい未来に期待した。
 しかし、ケネス・ウォルツ氏は国際政治をアナーキーなものと見て、国家間における自然状態は戦争状態だといった。国際社会では自助が原則であり、国家は自己保存のためには何でもしなければならないと警告した。

 今、東アジアでは「核心的利益」を標榜する異形の独裁国家が、虎視眈々と極東の一角を狙っている。
 かの国は「核心的利益」として五つを掲げていた。①南シナ海、②ウィグル、③香港、④台湾そして⑤尖閣である。今残っているのは④と⑤だけだ。

 台湾は、アメリカは助けてくれないと思って既に対応している。尖閣はどうだろう、殆どの日本人は、アメリカが助けてくれると思っているのではないか。
 竹島も、歯舞も、そして色丹もアメリカは助けてくれなかった。アフガンではどうだったか。

 シロウトながら、米軍のアフガン撤退には不可思議な混乱を感じる。そもそも、退避は民間人、外交官そして軍隊の順で進めるものだが、バグラム空軍基地の米軍が先に撤退してしまった。このためバグラムの二本の滑走路が使えず、残されたカブール空港の滑走路一本になってしまった。
 私は米軍が混乱するような指示が、「例えば、制服組トップ」のような処から出たのではないか」と思っている。

 いずれにしても、アメリカはアフガンを見捨てた。
 自衛隊は、国内法では行政機関の一つでしかない。その自衛隊に全てを押し付け、国民は「平和」を願うだけでよいのか。

 
中国による、自国に有利な国際秩序形成や影響力拡大の動きは、年々、強まってきている。中国は、人権問題や領土問題などで、他国と意見の対立が生じた際にも、自国の主張を崩そうとはしないし、国連の安全保障理事会での重要事項決定に際しても、独自の主張で存在感を示している。
 
https://www.dir.co.jp/report/column/20210609_010672.html


 今年の憲法記念日に、安倍前首相と国際政治学を専門とする篠田英朗氏の対談があった。

 令和3年5月4日の産経新聞東京朝刊 安倍晋三前首相と東京外国語大学教授篠田英朗氏の対談から概要を紹介しよう。

 ▼始まり
 安倍氏
 
私は父の秘書官時代に、外務省情報調査局長等を歴任した岡﨑久彦氏の勉強会で、「集団的自衛権の行使で解釈変更に踏み切らない限り日米同盟は危うくなる」と聞き、その通りだと思った。

 篠田氏
 
現行憲法は日本が二度と軍国主義の誤った道に行かないように歯止めをかけているのは事実です。現行憲法は戦争(war)を行う潜在力としての戦力(war potential)の保持は禁止している。
 9条1項の「戦争」や「武力」は国際法でいう戦争や侵略行為を指します。そうすると、2項の意味は明解で、戦争や侵略行為を行うための実力組織を持たないということ。つまり、自衛権の行使や国際平和に役立つような軍隊組織を持つことを禁じているとは読めないというのが率直な解釈です。


 安倍氏
 
自民党は集団的自衛権について高村正彦副総裁(当時)を中心に議論しました。高村さんが強調したのは、在日米軍の合憲性が問われた昭和34年の砂川事件の最高裁判決で「自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛のための措置を執り得ることは国家固有の権能」として当然のことと明確に認めているということでした。

 篠田氏
 
砂川事件で問題になったのは米軍基地の背景にある日米安全保障条約の合憲性であり、集団的な安全保障のあり方を論点にしていた。砂川判決には少なくとも集団的自衛権の違憲性をにおわせるよう文言は全くない。自動的に合憲性を認定していたと考えるほうが自然です。

 篠田氏
 
日本国憲法はアメリカ合衆国憲法だけでなく、国連憲章を参照して作られているものです。国連憲章の下の安全保障体制の中に日本を埋め込むという意図で作られている。それなのに国際法を参照せず憲法を解釈する立場を取るから答えが見つからない世界に入っていくのです。
 ▲終わり

 少なくとも、安倍氏は憲法9条を正しく理解しているし、危機感を持っておられる。しかし、日本では不可思議な平和主義が蔓延して憲法改正がタブーになっているのだ。

 私は、「輿論戦」は既に始まっていると考える。いずれにしても、お二人の対談とアフガンから思うのは、「賽は投げられた」ということだろう。

 昨年10月の旭化成マイクロシステム(延岡)や、4月のルネサスエレクトロニクス(那珂)の半導体製造工場で火災が発生した。ここ数年の火災の発生は設備の老朽化が原因と言われているが、「テロ」を指摘する意見もある。

 国際法から見ても、砂川事件の最高裁判決から見ても、少なくとも集団的自衛権は認められるはずだ。日本がアメリカのアフガン撤退から学ぶべきは、「アメリカは助けてくれる」という幻想を捨てることだと思う。

 今後の米軍なきアフガンについて
 米国が去った後、ロシアと中国はアフガンの地政学的かつ直接的な脅威にさらされる可能性が高い。そのため、中国はこれまでと異なった形での米国の関与を強く求めてきている。米国の撤収という一手は、中露やイランにアフガン関与深めざる得なくさせるという点で、「対中露シフト」の観点からは必ずしも“不名誉な撤収”とはいえないのではないか。
 R3.9.1 産経新聞 東京朝刊 「アフガン 米撤収の余波」
 中川浩一・三菱総合研究所主席研究委員

 米国が「テロとの戦い」に疲弊していくのを横目に、著しい台頭を果たした中国などの権威主義勢力に対抗していくには、これまでアフガンでのテロ戦争に投じられてきた資源と関心を、対中国に振り向ける必要があるというのもあながち間違っているとは思えない。
 R3.9.1 産経新聞 東京朝刊 「自国守る意思 同盟国の教訓」
 ワシントン支局長 黒瀬悦成

 暴力優先の漢民族中心の思想を「皇漢思想」と呼ぶそうだ。中華民族は四夷よりもさらに発展するという、人類史に対する壮大な空想である。白色人種が世界の諸民族を支配して「文明化」させるのと同じく、漢民族にとっては「光栄な使命」になる。「進化論」と「皇漢思想」という組み合わせは、悪魔が生んだ中国共産党の暴力思考の哲学的背景である。
 令和3年7月1日 産経新聞 東京朝刊
 「人類に災禍をもたらす中国共産党」楊海英 参照

 世界で、2億人以上が感染し、4.5百万人以上が死亡した新型コロナウィルスを蔓延させた国が、日本を飲み込もうとしている。日本は、何時までも言葉遊びをしている余裕はないはずだ。アフガンは対岸の火事ではなかろう。

 

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