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税理士・社会保険労務士
青山税理士事務所
  

愚弄される選挙の争点

ユートピアニズムを超克する

 「希望の党」は10月6日午前に記者会見を開き、小池百合子代表が22日投開票の衆院選の公約を発表した。公約の「三本柱」として、消費税の10%引き上げの凍結、2030年までに原発ゼロ、憲法9条を含めた憲法改正論議を掲げた。そのユリノミクスの一環として「12のゼロを目指したいと考えています」として、以下の政策を掲げた。
01.原発ゼロ
02.隠ぺいゼロ
03.企業団体献金ゼロ
04.待機児童ゼロ
05.受動喫煙ゼロ
06.満員電車ゼロ
07.ペット殺処分ゼロ
08.フードロスゼロ
09.ブラック企業ゼロ
10.花粉症ゼロ
11.移動困難者ゼロ
12.電柱ゼロ
 なお朝日新聞デジタルによると「希望の党」の政策集には、生活に最低限必要なお金を国民全員に給付する「ベーシックインカムの導入」を明記。大企業の内部留保への課税、政府系金融機関や官民ファンドの廃止、などが掲げられた。

 http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/05/yurinomics_a_23234462/

 そもそも、「ゼロ」ということは例外を除いて現実にはほぼあり得ない。このお花畑公約を「ユリノミクス」というそうだが、「urine」は尿とか小便をいうから益々胡散臭い。
 およそ現実的でない「ベーシックインカム」を掲げ、法人税減税が国際的に敷衍している時代に、内部留保課税というイレギュラーな二重課税を肯定してしまっては、最早議論に値しない。
 小池氏の欺瞞に踊らされた都民も、さぞかし後悔していることだろう。しかし、覆水は盆に返らないのである。

 
人間のエゴイズムに気づきえず、また自分自身のうちのエゴイズムを自覚しえない政治思想が、今日の現実にいったいなにほどの力をもちえようか。
 福田恆存「人間の名において」昭和22年より
 力を持つとすれば、それは「平和ボケ」が招来した受け手側の無知に依拠せざるを得ない。

 今回の選挙の争点は、眼前に迫った北朝鮮危機とチャイナが仕掛ける三戦(法律戦、世論戦、心理戦)の早急な防衛戦略の構築のはずである。いわんや、「花粉症ゼロ」等であるはずがなかろう。
 それとも現代人は、この期に及んでもなお安眠を貪るのだろうか。

 戦略国際問題研究所(
Center for Strategic and International Studies)の元上級顧問のエドワード・ルトワック氏は、「平和は戦争につながる」という。
 
・・・平時には、脅威が眼前にあっても、われわれは、「まあ大丈夫だろう」と考えてしまう。脅威が存在するのに、降伏しようとは思わず、相手と真剣に交渉して敵が何を欲しているのかを知ろうともせず、攻撃を防ぐための方策を練ろうとも思わない。だからこそ、平和から戦争が生まれてしまうのである。
 ・・・人間というのは、平時にあると、その状態がいつまでも続くと勘違いをする。これは無理もないことだが、だからこそ、戦争が発生する。なぜなら、彼らは、降伏もせず、敵を買収もせず、友好国への援助もせず、先制攻撃で敵の攻撃力を奪うこともしなかったからである。つまり、何もしなかったから戦争が起きたのだ。

 http://bunshun.jp/articles/-/2191?page=2 

 北朝鮮に核を持たせ、国際関係のせめぎ合いに利用しようと裏から支援しているのがチャイナだ。チャイナは0.02%の人口が70%の富を握り、共産党の一部のエリート(権力貴族)が支配する二極化された分断国家であり、経済が発展すればするほど分裂が深刻化する矛盾した全体主義国家である。その危機を糊塗するため反日思想を植え付け、人民の目を外に向けようとしている。
 北海道等の土地を買占め、尖閣を奪おうと画策し、孔子学院による文化侵略を遂行して三戦を仕掛けている。その対外工作の前線で、親日国の台湾は苦闘しているのである。

 危機の今、日本はこれまでと同じように、防衛をアメリカに責任転嫁(バックパッシング)するわけにいかない。なぜなら、チャイナは日米安全保障条約の埒外である離島を強奪しようしているからだ。
 日米安保体制が機能するのは、根幹の統治システム、いわゆる国土防衛であり無人の離島ではない。離島を守るのは日本の責任であって、アメリカは核戦争や大規模戦争の抑止は出来るが、日常的な脅威は日本自ら対応しなければならないのである。

 今回の選挙で問われているのはまさにこのことであろう。変節を繰り返す政治家の戯言に振り回されることでもなく、況して、希望の党が掲げた「12のゼロ」などであるはずがないではないか。
 極東は、21世紀の地政学的リスクの一つといわれている。今、その当事者の見識が問われているのだ。


  参考書籍
 〔1〕佐藤松男編「滅びゆく日本へ」福田恆存の言葉 ㈱河出書房新社 2016.6.30
 〔2〕エドワード・ルトワック著「中国4・0」奥山真司訳 文春新書 2017.4.20
 〔3〕袁紅冰著「暴かれた中国の極秘戦略」黄牛訳 ㈲まどか出版 2010.8.20




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