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税理士・社会保険労務士
青山税理士事務所
  

引継がれるプロパガンダ

情報弱者という平成の大衆

 私は安倍内閣を全面的に支持するわけではないが、21世紀最大の危機の一つといわれる極東の地政学的状況を踏まえれば、選挙を直前にして、この異様な倒閣運動の背景を考えざるを得ないのである。
 「無防備の太った豚」ほど、「飢えた狼」にとって有り難いものはない。

 ワイドショー等の単一情報に踊られされるポピュリズムを「年寄民主主義」や、「シルバー民主主義」というそうだが、冷静に考えればこの構図は「かつて歩んだ道」に思えてくる。皮肉なことに、彼等は投票率が高いのである。

 マスメディアがこぞって反日全体主義に走り、批判のための反対を繰り返す野党を援護する。止揚(アウフヘーベン)の欠片もなく、ひたすら、感情に訴え反日ムードの醸成にうつつを抜かしている。
 コミンテルンのスパイに翻弄されたあげく、シナ事変は泥沼に導かれ、まるで窮鼠が猫を噛むように、真珠湾攻撃を敢行して自滅した過去を彷彿させるのである。

 チャールズ・A・ビーアド博士の「ルーズベルトの責任」、ハミルトン・ フィッシュ著「ルーズベルトの開戦責任」に加えて、「裏切られた自由」・ フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症、の上巻も上梓された。現在では、日米戦争の考証はかなり充実したものになっている。
 以上を踏まえるならば、どうしてもFDR(ルーズベルト大統領)の痼疾に拘泥されるけれども、それでもなお、日米戦争に至る日本の決断はプロパガンダによって捻じ曲げられた事実は無視できないと思う。

 日米戦争の敗因である山本五十六の暴挙・愚挙が美化され、あまつさえ、「軍国主義悪玉論」によって敗因の分析すらスルーしてきたことが、戦争を煽ったメディアに免罪符を与えてしまった。
 免罪符を手にしたメディアは、戦後手のひらを返し、したり顔で反日報道を繰り返すことができる。

 昭和16年12月9日の朝日新聞から一部引用する。
 
すなわち、帝国不動の国策たる支那事の完遂と東亜共栄圏の大業は、もはや米国を主軸とする一連の反日適性勢力を、東亜の全域から駆逐するにあらざれば、到底その達成を望み得ざる最後段階に到達し、東條首相の言の如く「もし帝国にして彼等の強要に屈従せんか、帝国の権威を失墜し、支那事変の完遂を期し得ざるのみならず、遂には帝国の存立をも危殆に陥らしむる結果となる」が如き重大なる事態に到達したのである。
 〔2〕

 ちなみに、戦前の朝日新聞は発行部数で毎日新聞に大きく水をあけられていたが、このような煽動記事を繰り返し、毎日を出し抜いたのである。そして、周知のとおり戦後豹変した。

 現在のワイドショー政治に翻弄され続ければ、情報弱者といわれる人々が21世紀の世論戦の障害になる恐れがある。冷戦という幸運は二度と期待し得ず、「無防備の太った豚」が跋扈しているのが現在の日本である。

 山本五十六による真珠湾攻撃が、国を破滅させる愚考中の愚考あったことが軍事的に検証されだした今、「漸減邀撃(ようげき)作戦」の原型を描いていた「スメラ学塾」の戦略の卓越さを等閑した愚かさが悔やまれる。
 「漸減邀撃作戦」とは、Uボートの威力を見せ付けられたことで、次の海戦では潜水艦が決定的な戦力になると確信したことから生まれた作戦である。そのため国防圏を周辺海域に限定して、敵を可能な限り引き付けて撃つことを眼目とした。
 本土と蘭領印度(インドネシア)のルートを結ぶラインを国防圏として、西太平洋に戦域を広げないというものである。当然、米本土の攻撃はない。五分五分の引き分けに持ち込むという戦略である。

 この「スメラ学塾」は、塾頭に末次信正海軍大将を置き、高嶋辰彦陸軍大佐、富岡定俊海軍大佐、小島威彦、仲小路彰等が中心となって設立された。特に、仲小路彰は「太平洋侵略史」の著書等多数出版し、その知見は常に世界地図を見ながら、世界の歴史との相関関係によって自国史を俯瞰していた。

 仲小路は米英を不可分でなく、可分と見ていたが(国際的には可分という見立てが普通だったのである)、戦前のメディアは無視した。塾頭の末次信正の発案による「漸減邀撃作戦」は、上記のように後に海軍が取り入れ、以後この作戦の確立に没頭していく。

 ところが、昭和12年に末次は予備役に追いやられるのである。一方、国内世論は尾崎秀實等のコミンテルンの手先による謀略に誘導され、シナ事変は長期化して上記の朝日新聞のような戦略なき開戦ムードに席巻された。
 戦後、この重大な局面を検証するというリアリズムは蔑ろにされ、英文和訳憲法を崇めて観念論が蔓延り、平和ボケを量産した。

 シナとの和平工作を妨害し、シナ事変ドロ沼化の端緒となる「近衛声明」を生み、南進論を推進させたのが、コミンテルンのスパイである尾崎秀實一味の画策※(下記参照)であり、尾崎はシナ問題の専門家として論壇の寵児だった。

 尾崎の遺稿には、使命を成し遂げた安堵感と充実感が漂っている。シナ事変にのめり込んだのは、戦時予算に群がった軍務官僚という側面もあるけれども、尾崎たちコミンテルンのスパイの掌で踊れされたということは否定できないだろう。

 そして戦後、「敗戦」は「終戦」に置き換えられてリセットされた。御盾となった英霊は忘れられ、私たち団塊の世代が生まれた。「終戦」を祝うように、「青い山脈」作詞・西條八十、作曲・服部良一の歌が流行った。

  
「古い上衣」よ さようなら
  「さみしい夢」よ さようなら
  青い山脈 バラ色雲へ
  あこがれの
  旅の乙女に 鳥も啼く


 軽快なメロディーは、新しい時代へと「大衆」を誘ってくれた。昭和24年に流行った「青い山脈」、この歌の「古い上着」や「さみしい夢」に込められたものによって、私たちの精神はコントロールされていたといえるであろう。敗戦の総括はおろか、軍事力まで否定するようになった。

 最適通貨圏を逸脱したユーロの躓き、チャイナの覇権主義とアメリカの衰退による紛争の多発化等という、パラダイムチェンジの最中に私たちは生きている。
 極東のパワーバランスが壊れ、なにが起きるかわからない緊迫の中ですら、国内はフェイクニュースが溢れ、もりかけ問答の「言葉遊び」に明け暮れた。
 その結果、「立憲主義」の何たるかがわからない政党が、堂々と「立憲民主党」なる党名を掲げ、メディアは擁護し最大野党になりそうだという。

 あらゆるプロパガンダが氾濫して国民の覚醒を阻止している。この異様な状況を誰がコントロールしているのだろうか、と考えない方がおかしい。


 参考書籍
 〔1〕西尾幹二著「日本、この決然たる孤独」徳間書店 2016.6.30
 〔2〕室谷克実著「朝日新聞『戦時社説』を読む」毎日ワンズ 2014.12.8
  ※コミンテルンの謀略は、三田村武夫著「大東亜戦争とスターリンの謀略」自由社が詳しい。とはいえ、この貴重な本も絶版になっていて、私が所有するものはコピー版である。



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