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「瓶の蓋」再び?


キッシンジャー氏の訪中

 キッシンジャーは、1971年にニクソン大統領補佐官として、パキスタン経由で密かに訪中し、ニクソンの訪中、米中関係の再開を画策した。翌年のニクソン訪中は世界の政治の流れを変えた。
 以後、中国では「大御所」のご意見番として尊重された。45年間、キッシンジャーは、中国における外交顧問格のポジションを得たため、共和党保守陣営からは「中国の代理人」として酷評されてきた。
 キッシンジャーは、前日の12月1日には反腐敗キャンペーンの中枢にいる王岐山(政治局常務委員、序列六位)とも懇談し、「中国共産党が推進している反腐敗キャンペーンを注視している」などと述べた。
 トランプ次期大統領はキッシンジャー訪中を通じて、なんらかのメッセージを託したと推測される。

 https://melma.com/backnumber_45206_6456531/

 思い起こせば、1971年7月9日極秘に訪中したヘンリー・キッシンジャー補佐官(当時、以下氏という)が、周恩来首相との会談で語った「瓶の蓋論」によって日本は丸裸にされていく。この会談は戦後日本のターニングポイントとなり、米中の対日政策の路線が確定する。

 やがて、B・クリントン大統領が元の60%切り下げを容認し、為替介入によるドルペッグ制を認めて(次のG・ブッシュ大統領も容認)、チャイナの驚異的な経済成長を助長するのである。日本はその煽りを食って、やがて失われた20年を迎える。

 国際金融のトリレンマでは、為替の自由化、金融の自律性及び資本移動の三つは同時になし得ないというものだが、その意味でも、チャイナのドルペッグ制を認めたクリントン大統領(あるいは国際金融資本家?)の政策は異様だった。

 今年のダボス会議でも、黒田日銀総裁は個人的な見解としたうえで、「チャイナは資本規制によって通貨を安定させ得る」という意味の発言をしている。国際金融資本家の代弁をしたのだろうか、それにしても救いようのない自虐思考である。
 黒田発言については、「先進国の中央銀行総裁が資本規制を呼びかけるというのは、悪魔との取引を勧めるようなものである」、という意味のコラムを読み溜飲が下がった記憶がある。
 
 そして、規制だらけの元がとうとう、SDR構成通貨入りとなる。これにより、元は延命するだろうといわれている。
 日本やアメリカでは、国債等の買いオペでマネタリーベースを増やしているが、元増発の異様さは担保がないことである。どうして、国際世論は警鐘しないのだろうか、まことに不思議なことだ。

 1971年は、7月に続き10月にもキッシンジャー氏は訪中し、10月22日の会談で次のように語っている。

 
自力で自らを防衛する日本は、周辺にとって客観的に危険な存在となるでしょう。より強力になるでしょうから。
 それゆえ私は、現在の日本の対米関係が、実際には日本を抑制しているのだと信じています。もし我々が皮肉な政策をとろうとすれば、我々は日本を解放し、自らの足で立つよう促すでしょう。
 これは日本と中国の間に強い緊張を引き起こすでしょうから、我々がその間に入ることになります。それはとても近視眼的です。あなた方も我々も、双方が犠牲者となるでしょう。
 ですから、我々が日本について相互に理解し、我々双方が日本に対して抑制を示すことが重要なのです。

 〔1〕197頁

 さて、ステッキをついて歩く93歳となったキッシンジャー氏は、独裁国家に一体何を伝えたのだろうか。


  参考文献
 〔1〕毛里和子・増田弘監訳「周恩来 キッシンジャー機密会談録」岩波書店 2004.2.24


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